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競馬、忘れられない出来事


エピソード① 
今週末の貴殿の予想に、私の命を賭けます。


2014年12月に書いたコラムです。


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先日、嫁さんと話してる時に、仕事について、お仕事をするということについて、
ぐさっと胸に突き刺さる言葉を言われました。

その言葉のおかげで忘れていた大事なことを思い出しました。

お仕事をしている全ての人に嫁さんが僕に言ってくれた言葉を贈ります。

競馬予想サイト、競馬予想会社を始めて13年。

予想が当たると会員様が儲かり、喜ばれて継続会員になってくれ、新規の会員様も増える。
予想が外れると会員様が損失を出し、愛想をつかされて退会され、会員様が減っていく。

競馬には絶対がないので、調子の良いときも悪い時もあります。
僕の競馬予想会社には退会されても、また再入会してくれる人が沢山います。
競馬ファンは人間味の強い人が多いので大好きです。
競馬予想会社、競馬予想サイトを始めた13年前に、忘れられない会員様がいます。

予想屋を始めたきっかけは、ネット上で競馬の公開予想をしたら、神がかり的にあたり、
2ヶ月で50万円が250万円(投資金が5倍)になりました。

そのことが、クチコミで広がり、メルマガ会員が一気に4000人になりました。
そして信じられないことにJRAのオッズを動かすほどの影響力をもちました。
僕が4番人気の馬を単勝(1着を当てる馬券)で20万円購入しますと予想配信すると、
1時間後にはその4番人気だった馬が1番人気になりました。
当然オッズは下がるから配当妙味がなくなります。
このままでは、勝ちにくくなると思って無料の公開予想を有料制にして会員募集をしたのが
競馬予想会社、競馬予想サイトを始めたいきさつです。

僕の予想に便乗して馬券を購入する人たちは、
投資金が5倍(利回り500%)になったのを目のあたりに見ているので、
予想は絶対に当たる、絶対に儲かると狂信的に信じて馬券を購入していました。
中には僕と同じ金額かそれ以上の金額で馬券を購入する人もいました。
当時は、競馬予想会社、競馬予想サイトのHPに掲示板も設置していたので、
馬券を当てて儲かった会員様は掲示板に喜びや感謝の書き込みを沢山してくれていました。
会員様たちは律儀に幾ら儲かって、そのお金を何に使ったのかとかまで嬉しいそうに、
お礼とお供にカキコミしてくれました。

それが当時は一番の喜びでした。
自分の予想に大勢の人が便乗して馬券を購入する。
そして喜んでもらえる。
その喜んでる様子を見て、新規の会員様が増える。
そして僕の収入も増える。
順風満帆で、しばらくその高揚感でいい気持ちになっていました。

そのよい気持ちがずっと続くと思っていました。
HP内の掲示板に、たった1人の会員様の、
あの書き込みが書き込まれるまでは・・・・・・・・

その良い気持ちが一気に冷める出来事がありました。

その会員様が書き込みした内容は
「私には借金があり、もう死ぬしかないと思っています。
そんな折、貴殿のHPを知り、最後に貴殿に賭けてみようと思いました。
お金を調達できる全てのところから現金をかき集めました。
今週末の貴殿の予想に、私の命を賭けます」
この書き込みの後、掲示板が凄いことになりました。
自分の予想で人の命を背負うことになるとは思ってもいませんでした。
すごいプレッシャーでした。

その週末の予想は、今まで神がかり的に当たってたのが嘘のように、神がかり的に外れました。
カキコミをしてくれた、その会員様がその後どうなったかは、わかりません。
掲示板がその会員様のことで盛り上がってるのとは裏腹に、
その人自身のカキコミも、連絡もその週末を境になくなりました。
予想屋を長くしていて思うことがあります。
ある会員様が入会してきた途端に、万馬券がポンポン当たりだすことがあります。

逆にある会員様が入会してきた途端にまっかく当たらなくなったりすることが多くあります。
面白いことにその会員様が退会したら、また当たりだすことがあります。

先日予想が連敗して何でだろうと考えてたら、ある会員様が入会してきてから、
一度も予想が当たっていないことがわかりました。

その会員様が入会する時に
「私は競馬予想予想会社に騙されて借金一杯あります」と言ってたので、
この連敗の原因は運勢の悪い会員さんに影響されてしまってるんだ。
外れても仕方ないと思ってる自分がいました。

予想が外れてるので、当然会員様は損失を出しています。
そうなると更新してくれなくなるので収入も減ります。
新規会員様も減ります。

競馬予想会社、競馬予想サイトの収入が減ってる理由を嫁さんに

「ある会員様が入会してきてから全然予想当たらんようになったわ。
その会員様、いろんな競馬予想会社に騙されて、借金一杯あるって言ってたし、
そんな人が楽して儲けるなんて無理やで。
その運勢の悪い会員様のせいで予想が外れて他の会員様に申し訳ないわ」

と言ったら

「いいわけすんな!!」

「上手くいかない理由を人のせいにするな!!」

『そういう人を助けるのが、あんたの仕事やろ!!』

嫁さんのこの言葉でハット目が覚めました。
13年間の間、競馬予想会社、競馬予想サイトの仕事をしていて色んな会員様がいました。

お礼のメールをいつもくれる会員様。
クレームだけをいう会員様。
当たった時と外れた時で手のひらを返したように豹変する会員様。
予想をそのままに馬券購入する人。
予想を参考に自分なりにアレンジして馬券を購入する人。
余裕資金で遊びの範囲で競馬をする人
借金があるのに、生活費をつぎこんでまで競馬をする人。
何千人と言う、沢山のいろんな会員様とかかわりました。
そして会員様の入会や退会と予想の好調不調が重なる偶然の現象。
何百回とそういう偶然が繰り返されているうちに、
いつしか、自分の競馬予想は会員様に影響されると思い込んでいたみたいです。
予想の好不調を会員様のせいにして自分の責任逃れをしている。

極端にいえば自分の予想(自分の仕事)に『自分がない』ことに気づきました。

『そういう人を助けるのがあんたの仕事やろ!!』

この言葉のおかげで、良い意味で予想が外れた時のいい訳ができなくなりました。

そうなればすることは1つ。
自分の予想に自信と誇りを持って会員様に提供する。
そのために、初心に戻って、去年、今年の競馬のデーターをすべて分析し直しました。
すると、連敗の原因がはっきりわかりました。
これまでと競馬の配当傾向が変わっていて、今までの予想のフィルターが機能しなくなってました。
それに気づかず、予想をしてたら、外れて当然です。
そこに会員様の運勢は関係ありません。

分析しなおして、予想フィルターを修正したら、予想が当たりだしました。
先週、先々週、共に、投資金を3倍(回収率300%超)にできました。
そして下記のようなお礼のメールも再びもらえるようになりました。

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Kazukiさん

本日も,的中をありがとうございました。
遠出から帰宅し,今ようやく結果を確認しました。
3連複,馬連,いずれも1点500円しか賭けていませんでしたが,
週のトータルの結果としてプラスで助かります!
来週もよろしくお願いします!

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今は、毎週のように会員様からたくさんのお礼のメールをいただいています。
会員様に喜んでいただいて自分も喜ぶ。本当にいい仕事してるなぁと自分でも思います。


プロの投資馬券 会員様の声 その1
http://bestbaken.com/okykusama.htm


プロの投資馬券 会員様の声 その2
http://bestbaken.com/newkannsou.htm




今回、メッセージとして伝えたいことは嫁が言ってた言葉です。

「いいわけすんな!!」

「上手くいかない理由を人のせいにするな!!」

『そういう人を助けるのがあんたの仕事やろ!!』

そしてあなたに質問です。
仕事をする理由を忘れていませんか?
毎日の仕事がマンネリ化して惰性的になっていませんか?
仕事を楽しむために、何をしますか?
人のせいにしたり、いい訳したりして現実から目をそむけていませんか?
自分の仕事を誇ることができますか?







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競馬、忘れられない出来事


エピソード② 
地方競馬の出来レース?


2014年12月に書いたコラムです。


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競馬歴も20年を超えるといろいろな出来事があります。
その中の一つ、今でも忘れない出来事を紹介します。

スーパーの定員として働いていた10代の頃、先輩に競馬を教えてもらい、
初めて買った馬券で1万円が3万円になりました。
ビギナーズラックというやつです。
3分ほどで2万円を稼げたことに、ものすごく興奮しました。

高校時代からパチプロの人たちに混ざってお小遣いを稼いでましたけど、
2万稼ぐのには4時間くらい台の前に座り、手首が腱鞘炎みたいに痛くなるような思いをしてました。
はっきり言って労働収入でした。競馬でわずか3分でお金が稼げるというのを体験した時は舞い上がりました。
パチンコより、全然簡単にかせげるやん!!それ以来パチンコは卒業しました。

※当時パチンコはスロットでもなく、フィーバー台でもなく、
一発台でもなく、飛行機台や羽物台のパチンコがメインでした。

競馬に嵌るようになって、掛け金がどんどん膨らみ、手取り17万ぐらいの給料なのに、
1レースに10万は競馬に使うようなってました。
昔の春の天皇賞、ライスシャワーがメジロマックイーンの3連覇を止めた時のレースは、
この2頭の馬連1点に10万円賭けて美酒を味わいました。

このころからから、普通のサラリーマンとしての金銭感覚はくるい、
週末の中央競馬だけでなく、平日、仕事が休みになれば地方競馬にも足を運ぶギャンブラーになってました。

そして忘れもしませんが、ナリタブラインが勝ったダービーでは1レースに20万円つぎ込みました。
しかし、ナムラコクオーとサクラエイコウオーを中心に予想してたので、数分で20万円が吹っ飛びました。
さすがに給料の1か月分以上を失い、落ち込みました。ウインズ(場外馬券売り場)でしばらく放心状態でした。

よっぽど暗そうな顔をしてたのか、2人組のおっさんが僕に声をかけてきました。

「兄ちゃん、どうした?大きくやられたんか?」

そこから、この2人のおっさん(白髪頭のおっさん・白髪)(病弱そうなおっさん・病弱)と話すようになりました。
いろいろ話すうちに、そのおっさんの一人(白髪)は地方競馬の関係者で今度、地方競馬(園田競馬)で
出来レースがあるから乗るかい?と誘ってきました。
当時は無知だから、軽い気持ちでそのうまい話に乗ることにしました。

そして、数日後に、そのおっさん2人と園田競馬場に行きました。
軍資金として30万円用意してほしいといわれていたので、30万円を持参しました。
30万円が帰りにはいくらになるのかワクワクルンルン気分でした。
競馬場につくと、白髪はそうそうに、調教師(競走馬のトレーニングや管理を任されてる人)と話をしてくるといっていなくなりました。
もう一人の病弱は、僕の横にずっといました。
しばらくして、調教師の所にいってた白髪が戻ってきて、

「次のレースは厩舎間で話ができてるから間違いない」といって買い目を2点教えてくれました。

そして白髪に言われるままに9倍の配当のつく買い目に20万円、10倍の配当がつく買い目に10万円かけました。

白髪は3人分の馬券をまとめて買ってくるといって僕の30万円をもって、馬券を買いにいきました。
そして病弱と一緒にレースを観戦しました。
すると、なんとなんと、20万円かけた配当9倍の馬券が本当に的中しました。
配当金は180万です。舞い上がりましたね。
白髪が戻ってきて、次のレースも出来レースで厩舎間で話ができてるから、間違いないと言ってきました。
今度はなんと、7倍の配当に180万円、1点勝負です。
白髪も病弱も、なんとか僕に180万円1点勝負をさせたかったんでしょう。
白髪と病弱は現金500万円を僕に見せて、

「私達はこれ全部かけるから間違いない」

追い打ちをかけるように、病弱が

「180万円じゃ少ないから、私が20万円貸すから200万円にして馬券を購入しましょう。
的中したら返してくれたらいいから」と言ってきました。

外れても返さなくてもいいという、なんとおいしい話なんでしょう。
先ほどの的中を目のあたりに見てるので、100%信用しました。
そして白髪に言われるまま、1点200万円勝負をすることにしました。

的中したら1400万円!!

勝負と言っても出来レースなので、安心してました。
そしてまた、白髪は馬券を買いに行くと言っていなくなりました。

馬券発売の締め切り時間直前、自分たちの買った馬券の買い目オッズが急激に下がりました。
7倍だったのが4倍まで下がりました。
白髪が自分たちの500万と僕の200万、一気に一点買いしたから下がったんだと思いました。

ますます出来レースへの確信が高まり気持ちはルンルンです。
4倍の配当でも、来たら800万円だ~!!

病弱と2人でレース観戦です。
4コーナーをまわり、最後の直線、先頭と2番手を走ってるのは、紛れもなく、購入している馬券の買い目の馬です。

「そのまま~!そのまま~!」と絶叫しました。

今まで20数年の競馬歴の中でも一番興奮した瞬間でした。

ゴール直前、いったい何が起こったのか?
わけのわからん馬が突然ゴールに飛び込んできて、買い目の馬の1頭を交わして2着になりました。

馬券は1着3着でハズレ!!!!
(この時の馬券は1着2着を的中させる枠連という馬券です)

結果、枠連は1番人気、配当2倍の超本命馬券でした。
800万円の夢は消え、180万円という束の間の幻想が消え、30万円、競馬で負けたという現実がまってました。

レース後、白髪が戻ってきて、顔を真っ赤にして怒ってました。
現金500万円を包んでた風呂敷を地面に叩き付けて

「厩舎間で話はついてたのに関係のない厩舎の馬が来た」
「くそ~くそ~!!」

病弱はその後、信じられないことを言いました。

「私も200万円負けた。くそ~」
「さっきのレースで君に貸した20万円返してくれ!」

結論は、僕の持ってきた30万円が帰りはゼロになったということです。
後から請求してきた20万円は2万円にまけてくれたので返しました。

完全に詐欺にひっかかりましたね。

今ように、インターネットで馬券を買うのが主流だと、
こういう詐欺はやりにくいでしょうが、昔のように、
競馬場や場外馬券売り場で馬券を購入するのが主流の時には、この手の詐欺がよくあったそうです。

数年後、この詐欺をテーマにした「さわ師」という映画が公開されて、
この時の出来事が詐欺だったんだとわかりました。

今から思うと、180万円勝った時に、しっかりやめて現金を請求していればどうなってたのか?
白髪は実際に現金で500万円(たぶん見せ金)もってたわけだし。
購入した馬券をちゃんと確認しておけば。。。。
購入した証拠の馬券を見せてもらことさえも怠ってました。
すべては欲に目がくらんで、冷静に物事を考えられなった若気の至りですね。
今となれば楽しい思い出です。



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